【#1】70’s Vintage プレミア 250S(フットペダル キックペダル パール タマ ヤマハ ラディック スピードキング コージー・パウエル) Yahoo!フリマ(旧)
商品の説明
【#1】 70’s Vintage プレミア 250S
12350円【#1】70’s Vintage プレミア 250S(フットペダル キックペダル パール タマ ヤマハ ラディック スピードキング コージー・パウエル) Yahoo!フリマ(旧)楽器、手芸、コレクション楽器、器材パール
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■ お知らせ
・本項の最下段に ラディック『スピードキング』を制御するコツ を記載しましたので、興味のある方はご参照ください。
■ 予告
・『 ラディック・スピードキング(60~70年代製・仕様違い各種) 』を数十台出品する予定でいるのですが、仕事の都合、商品のクリーニング、整備、フットボードの鏡面研磨(希望者)、仕様確認、年代推定、商品案内文の作成等の時間がほとんど取れず、現時点で出品の目途が全く立っておりません。長らくお待ちいただいている方々には大変ご迷惑をお掛けいたし、誠に申し訳ございません。 2024年初夏 には出品できるよう努めます。
■ 商品案内:プレミア250S
・『 プレミア250S 』は、ディープ・パープルやレインボウ、ザ・フー、レーナード・スキナード等の70年代を代表するロックサウンドを強固に支え、幾多の名曲を生み出す一助となった イギリス製のフットペダル です。
・同じ ダイレクトドライブ でも、 ラディック・スピードキング と比べるとそのような独特のクセがほとんど感じられず、軽快なアクションで演奏を楽しめます。
・ コージー・パウエルのバスドラサウンドを再現したい 方、 イアン・ペイスやディープ・パープルの熱烈なファン の方、ジャズのように バスドラム本来のアコースティックで繊細な鳴りやトーンを楽曲の構成要素として重視 されている方、「 ロック黄金期 」と呼ばれ、深化と多様化を極めた「 70年代ロック 」に思い入れのある方、世界が激流に渦巻き、炎のように揺れ動いていた70年代という時代の空気の一端に触れながら ビンテージペダルを踏んで楽しみたい 、そういった方々に『 プレミア250S 』をお使いいただきたいと思います。
・イアン・ペイスが60年代から70年代にかけての ディープパープル黄金時代 (第1~4期)に使用していたフットペダルは『 ラディック・スピードキング 』だと、これまで国内だけでなく海外においても半世紀以上の長きにわたり何の根拠もなく信じ込まれてきましたが、 少なくとも1969年3月から1975年12月までの7年近く、一貫して『プレミア250S』を使用していた ことが、近年、画像や動画の分析により実証されました。
※ イアン・ペイスの『プレミア250S』 (スマホでは見づらいため、パソコンでの閲覧をお勧めします)
・ジャズにおいても、 ジャック・ディジョネット や エルヴィン・ジョーンズ ら、多くの著名ドラマーに愛用され、『ラディック・スピードキング』や『ロジャース・スウィヴ・O・マティック』と並ぶ フットペダルの名機 と言えます。
■ 商品の状態(商品#1)
・使用感: 並
・使用上の不具合:特に無し。
・本体フレーム:傷、塗装剥がれ、 多少有り 。
・駆動部:傷、 多少有り 。
・スティールパーツ(蝶ネジ、スプリング、リンクプレート等):傷、錆、 多少有り 。
・ヒール部スパー:2本とも 尖り気味 。
・フットボード表面(ビニル製モールドカバー):摩耗 多少有り 。傷、擦過痕、 多少有り 。
・フットボード裏面(スティール):傷、錆、塗装剥がれ、 多少有り 。
・フットボード底部固定バー(スティール):傷、錆、塗装剥がれ、 多少有り 。
・細部、全体をクリーニング済み。
・シリコーンオイル、ワックス剤、防錆剤を混合し、金属部全面に塗布済み。フットボードのモールドカバー表裏両面にシリコーンオイル、ワックス剤を混合し、塗布済み。
・付属品:無し。ビーターは付属しません。
※ 商品画像の映りについて
・出品に向け、 照明を使用し、一眼レフカメラで撮影したため商品全体は綺麗に写っていますが、画像から受けるイメージと現物の状態とが異なる場合があります。その点、予めご了承ください。
■ 仕様
・ブランド:プレミア(Premier)
・製造国:イギリス
・製造年:1970年代
・駆動方式:ダイレクトドライブ
・スプリング:強力型引きバネ
・本体フレーム:アルミニウム製(ダイカスト)
・駆動部:アルミニウム製(ダイカスト)
・フットボード:スティール製(プレス加工)+ビニル製モールドカバー
・フットボード固定バー:スティール製(約2mm厚/プレス加工)
・カラー:メタリック系ターコイズブルー(本体)・ブラック(フットボードのモールドカバー)
・サイズ:全長約315mm×幅約127mm×高さ約195mm
・重量:約1.1kg
※参考:ラディック・スピードキング(70年代モデル本体)は約1.4kg。
※本体は折り畳み可。折り畳み時全長:約35cm。
※本体フレームとフットボードは連結固定されているため、取り外し不可。
■ ご注意!
・同じビンテージペダルでも、ラディックのスピードキングはある程度重量があり(約1.4kg)、作りも堅牢ですが、『 プレミア250S 』は、およそハードユースに耐えられないのではと思われるほど 本体が軽く(約1.1kg)華奢 です。 作りが心許なくおもちゃのよう で、現代版フットペダルしか使われたことがない方には『 プレミア250S 』は パワー不足でアクションも頼りなく、音楽的志向によってはまるで使い物にならない可能性があります 。そのため、ジャズのように バスドラムというアコースティック楽器本来の鳴りやトーンに重点を置く音楽的志向をお持ちの方 にはお勧めできますが、 パワー重視の方や機能重視の方には全く向かないペダル ですので、 一時の興味本位で入手されることはお勧めしません 。
※本商品案内には『 プレミア250S 』の 仕様、年代資料、使用上の注意等の各種情報 を詳細に記載していますので、『 プレミア250S 』に興味を持たれている方や、既に所有されている方は、 本記事を印刷して保存されることをお勧めします 。
■ 製造年代について
※参考サイト: DRUMARCHIVE.COM/PREMIER
①プレミアの 1966年版のカタログ に、『 素晴らしい新型プレミア250Sの発表です! 』とあることから、 『プレミア250S』の初登場は1966年 と考えられます。ただし、60年代の『 250S 』はフットボードの黒い ビニル製モールドカバーが脱落してしまいやすい不具合 がありました。
②そこで、 1970年版 では、 かかと部分にリベットを一つ打ってカバーを固定 することで脱落を防いだ 『改良版250S』(本出品商品と同一モデル) が掲載されます。
③モデル名が『 250S 』としてのカタログ掲載は 1979年版が最後 となりました。
④ 1980年版 のカタログには、『 250S 』がその前身モデルである『 250 (リンゴ・スターがビートルズのデビュー時、1962年に使用していたモデル)』と同じモデル名の 『250』に回帰変更 して掲載されています。
⑤正式な発行年は不明ですが、上記サイトで「 80年代 のカタログ」として掲載している版の中に、④の『 250 ( 旧250S )』が掲載されています。
⑥ 1985年版 カタログには、④の 『250(旧250S)』は掲載されていません 。
・以上により、ヒール部にリベットが一つ打たれた 『改良版プレミア250S(モデル名変更後の『250』を含める)』が確実に製造されていた年代は「1970年から1980年代の初頭まで」 と推定されます。
・尚、ラディック・スピードキングの場合、同じ70年代でも時期によって仕様が部分的に変更されていますが、『 プレミア250S 』の場合、その製造年代( 1970年~1980年代初頭 )を通して、部品も細部仕様にもほぼ全く変更が加えられていません。そのため、『 プレミア250S 』はこの製造期間内のどの時期に製造されたかを特定するのは 極めて困難 です。その点、予めご了承ください。
■ 使用感
①当方の場合、『 プレミア250S 』と『 ラディック・スピードキング 』に『 ラディック・L1286(ハードフェルト・ビーター) 』と『 同・L1287(ウッドビーター) 』を使用しています。ビンテージペダルには、ビンテージ仕様のビーターを使用されることをお勧めします。両ビーターは 1940年代に開発 されて以降、基本仕様が変わっていません。WFLの1948年版カタログ、第9ページ最下段に最初期の同モデル、『 SP-1286(フェルト) 』と『 SP-1287(ウッド) 』が掲載されています。
・ WFL社・1948年版カタログ(DRUMARCHIVE.COM)
② スプリング は強くするとドラムヘッドへのビーターのクローズがしづらくなります。
③クローズ奏法だと音が詰まってしまうので、音を殺さないよう、 ペダルの特性を掴んだうえで踏み方や奏法を工夫 してコツを掴んでください。
④ ビーターは短めより長め にセッティングしたほうが制御しやすく感じます。また、 打面ヘッドの張力 の違いによりビーターの反発具合が変わり、操作感やサウンドも変化しますので、いろいろと試してみてください。
⑤フットボードは踏む場所により フレキシブルに左右に傾く ようになっていますので、 芯(中心線)を捉えて踏むほうがパワーが出ます 。
⑥『 ラディック・スピードキング 』の場合、ある程度パワーがあり、音も大き目ですが、 フットボードのアクションが意外に重く感じられる ため、 つい力んで踏みがち になり、その分 リズムの刻み方や音量のコントロール等、全般的に制御が難しくなります 。逆に『 プレミア250S 』は、スピードキングに比べるとフットボードが 頼りないほどに軽く 感じられます。
⑦『 プレミア250S 』のフットボードは『 スピードキング 』に比べて 踏みしろがかなり浅い ので、「 無駄に力まずに踏むことができ、しかもバスドラム本来の鳴りやトーンを引き出せる 」というのが、もしかしたら コージー・パウエル や イアン・ペイス がこのペダルを愛用した理由の一つなのかもしれません。
⑧『 プレミア250S 』は無駄にパワフルでない分、 バスドラムが本来の楽器らしいトーンで響く ように思えます。「 丸っこくて、ウォームなトーン 」といった印象です。『 ラディック・スピードキング 』のトーンも同様に「 丸っこくて、ウォーム 」なのですが、スプリングの機構や反発力等の違いにより、 両者のトーンは明らかに違います 。
⑨『 プレミア250S 』は、バスドラムのミュートの仕方やチューニング、奏法等を工夫すれば、 現代製のフットペダルでは決して出せないトーンやサウンドを創出できる でしょう。
⑩『 ラディック・スピードキング 』は、その独特の操作性から 踏みづらさ(制御しづらさ) を克服できずに使用を断念する人が過去数十年にわたり絶えず、 現在、スピードキングを制御・操作できるドラマーが世界的にも希少 となりました。 『スピードキング』で挫折を味わった方 や、 バスドラム本来の楽器としてのウォームなトーンを楽曲の構成要素として重視される方 、 コージー・パウエルの熱烈なファンの方 などに『 70"s ビンテージ・プレミア250S 』を使っていただけたらと思います。
■ 使用上の注意
① 『 プレミア250S 』も『 ラディック・スピードキング 』も、『 蝶ボルト 』を指で締め込んでビーターを固定する方式が採られており、半世紀以上の長きにわたり、 演奏中にビーターが脱落 するアクシデントがつきものでした。しかし、 ビーターロッドの蝶ボルト末端が押圧されるポイントを金属やすりを使用して「 特定の形 」に研削加工するだけで、単純な原理ながら力学的に高い固定効果を生み、これによりペダル本体からのビーターの脱落が一切無くなります 。作業時間は10分程度です。加工法の詳細については以下のサイトをご参照ください。
・ 風人乱舞:ビーターロッドの加工
※特定の形に研削するのが困難な場合には、 ビーターロッドの蝶ボルト末端が押圧されるポイント付近に金属やすりで「 ×印の切り込み 」を複数入れてみてください(作業時間は5分)。
②『ラディック・スピードキング』と同様、 ペダルの調整 としては、バネの強さを変えることと、ビーターの長さを変えること以外にできません 。
③ペンチ等を使って蝶ボルトを締め込まないでください。 ネジ溝やネジ山が崩れるとペダル自体が使用不能になる恐れ があります。
④スプリングは手(両手)で回して強さを調整できますが、回しづらい場合は「 3/8インチ (8分の3インチ=9.5mm)スパナ」を使用するか、少し緩くなりますが、「10mmスパナ」を使用して回してください。ペンチやプライヤー等で回すと、ナットやスプリングに傷がつき、錆びつきの原因となります。
⑤ペダルはフープにしっかりと固定してください。固定が甘いと演奏中にペダルが後退し、フットボードを踏んだ際に直下にある 蝶ネジを損壊する恐れ があります。
⑥『 プレミア250S 』は 折り畳み ができますが、本体フレームとフットボードとが 連結固定 されており、 取り外しができません 。破損や傷、塗装剥がれ等を防ぐため、運搬の際には他の機材と一緒に収納しないでください。
⑦本体フレーム上部両端にある黒い形プラスチックの中央奥に見えるプラスネジを緩めると駆動部が分解できます。ただ、この黒いプラスチックの奥側周縁に6枚の薄いツメがあり、これが経年劣化により非常に割れやすくなっているため、 絶対に分解しないでください 。分解するにしても、慣れと慎重な作業が求められます。
⑧元来『 プレミア250S 』のフットボードには、黒い色のビニル製モールドカバーとスティールプレートとの間に 接着剤がベタ塗り されていますが、40~50年という経年により接着剤が劣化し、全体、もしくは部分的に剥離が起きていたり、ゴミや埃がたまり、スティールも赤錆びて非常に汚れた状態になっている場合が少なくありません。そのため、当方でクリーニングを行った際、残留している接着剤の屑や埃、赤錆等を極力除去し、そのうえで保護剤(シリコーンオイルとワックス剤、防錆剤等を混合)を塗布してあります。
※モールドカバーとスティールプレートとの間に、接着剤の代わりに補助的に『 強力・極薄タイプの両面テープ 』を「縦10×幅2cm」の大きさに切って中心リブに沿って縦に貼ってあります。
⑨フットボードの黒いモールドカバーはビニール製ですが、縁部分がスティールプレートから外れかかった場合は「 つまようじ 」を1本使うと再装着しやすいです。ただし、縁部分は非常に薄いため、つまようじを使用しての作業時にも破損しないよう注意してください。
※モールドカバー最後端裏面が 固定用のステイ(爪) から外れた場合は、マイナスドライバーをツメの下に差し込み、わずかに力を入れてツメを持ち上げ、その間にもう片方の手で別のマイナスドライバーを使ってモールドカバーの最後端裏面を隙間に挟み込みます。挟み込む際には、最後端全体を隙間に強く押し込むようにしてください。尚、マイナスドライバーは先端幅が4mm前後の、あまり大きすぎないものを使うとよいでしょう。
⑩ フットボードの黒いビニル製モールドカバーは極力外さないでください 。「ちょっとだけよ」と少しめくって覗いてみるくらいは大丈夫ですが、 全部めくるとヒール部にあるリベットからカバーが脱落する恐れがあります。 一度脱落すると、カバーをリベットに再装着することはほぼ不可能です 。
※一度リベットから脱落したモールドカバーをリベットに再装着するには、マイナスの精密ドライバー(2mm幅)を2~3本用意し、モールドカバーのリベット穴を切ってしまわないようドライバーの先端の両端を金属やすりで丸めて角を取って 専用の工具 を作り、モールドカバーの向きを工夫したり、リベットにドライバーを差し込む位置や角度に注意したりしながら再装着するなどの 細かな手先の作業 が必要になります。
■ お取引上のご注意
・スムーズなお取引をさせていただくため、オークション終了後、取引きナビにて「 24時間以内のご連絡 」をお願いできる方のご入札に限らせていただきます。
・中古商品に対する 常識的なご観察とご判断が可能 な方のご入札を歓迎いたします。神経質な方、中古商品に対して完全をお求めの方は、恐れ入りますが、入札をご遠慮くださいませ。
・本商品は中古商品であるため、初期不良以外の事情による返品はお受けしかねます。
・オークション取引きにおける一般的マナーを守ってくださるようお願いいたします。
・イタズラ入札防止のため、 新規の方のご入札は無条件で取り消し、ブラックリストに登録させていただいています 。
・ご入札者様の評価内容によっては、当方の判断によりご入札を取り消させていただく場合がございます。
■ その他
・仕事の都合、発送に2~3日かかる場合がございます。予めご了承ください。
・商品の到着後、お気づきの点がございましたら、ご遠慮なくご相談ください。
■ 発送・送料
・『宅急便EAZY』での発送を予定しています。
・送料は【 出品者負担(送料無料) 】となります。
・同梱配送:落札後、「取引ナビ」上で落札者様側が「 まとめて取引 」の手続を行ってください。
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■ ロック黄金期、70年代にタイムトリップ
~ 『プレミア250S』によるバスドラサウンド (You Tube)~
【 コージー・パウエル 】
★ コージー・パウエルの『プレミア250S』
・ 1975年 11月、コージーがレインボーに加入して間もない頃で、当時27歳。ドラムセットに『 プレミア250S 』がはっきりと写っています。ビーターはプレミア製の純正ウッドビーター、『#1296』に見えますが、詳細は不明です。
★ Kill The King
・ 1977年 10月、レインボー時代のコージー・パウエル、29歳の時の演奏です。バスドラムがただの 安っぽいドンシャリ系重低音発生装置 などではなく、一音一音に息吹があり、歌い、吠え、訴えることのできる、 感情表出と表現力の豊かなアコースティック楽器 だということを再認識させてくれる、 『プレミア250S』による、魂を震わせるコージーのバスドラサウンド です。
★ Still I"m Sad~Drum Solo
・上記 1977年 の同ライブでのドラムソロで、 1分46秒時 以降、コージーのツインバスドラムの連打が始まると、少しわかりづらいかもしれませんが、 『プレミア250S』のヒール部のシルエットとシーソーのような特徴的な動き が約5秒間見られます。コージーファンの間では常識になっていますが、 ツインバスドラムの連打は左足を「表(オモテ)/頭(アタマ)」として始まります 。テクニックがどうの、パワーがどうのといった話の次元を超えて、ドラムソロを聴いていて純粋に感動するという経験はなかなかあるものではありません。いかにも太鼓らしい、温もりと深みのある、しかもカラッと乾いたアコースティックなトーンで鳴る 70年代のラディックキット時代のコージーのドラムサウンド はやはり特に素晴らしく、最高に魅力的です。
★ コージー・パウエルの奏法の秘密
・これもコージーファンの間では常識となっていますが、彼はただありったけの力でスティックを振り回して激しくヘッドに叩きつける 力業(ちからわざ)のドラマーではありませんでした 。実際は逆に 脱力 し、スティックの重さやバウンド、重力を利用して効率よくしなやかに、しかも驚くほど軽く叩くだけであの粒立ちよく綺麗な打音でありながらハードかつヘビーな音量感を出す スマートでクールなテクニシャン でした。当然のことながら、ドラムキット全体でトータルにバランスよく「 いい音を出す 」ために、バスドラムについても パワー偏重による味気ない重低音 などコージーは求めてはいなかったのです。それにしても、コージーが「 破壊的馬鹿力ドラマー 」だという勘違いが今後も世界中で続いていくのは大変残念なことです。
★ Feels Like A Goood Thing
・ 1981年 、コージーがマイケル・シェンカー・グループに在籍していた時代のライブで、 2分4秒時 と 3分16秒時 に『 プレミア250S 』が映ります。ビーターのメーカー、モデルはわかりませんが、質感や色合いからするとウッドではないでしょうか。
★ ドラムソロ
・ 1992年 、ブライアン・メイと共演した際のコージーのドラムソロで、 0分24秒時 以降、『 プレミア250S 』が数回映ります。ここでも ツインバスドラムの連打では左足が「オモテ/アタマ」 になっています。
★ Resurrection
・ 1993年 、ブライアン・メイと共演した際のオフィシャルビデオで、 0分38秒時 に珍しくバスドラムのフロント側から『 プレミア250S 』を確認できます。
★ ドラムソロ
・ 1993年 、やはりブライアン・メイと共演した際のコージーのドラムソロで、 4分18秒時に 『 プレミア250S 』が確認できます。ここでも ツインバスドラムの連打では左足が「オモテ/アタマ」 になっています。
★ ドラムソロ
・ 1994年 、ドラムソロでの 0分18秒時 以降、『 プレミア250S 』が数回映し出されます。コージーのフットワークと『 プレミア250S 』のアクションの様子がご参考いただけると思います。
★高機能、高パワーを謳う現代的で新しいフットペダルには目もくれず、 70年代製の古く頼りないイギリス製のフットペダル を自身の晩年、 90年代末まで愛用 し続けたというのは、ジョン・ボーナムがラディックのスピードキングを終生愛用したのと同じように、音楽家としてのコージー独自の感性や知見に基づく理想のバスドラサウンドが、まさに『プレミア250S』でしか得られなかったからでしょう。そして、かの「 脱力奏法 」によって アコースティック楽器としてのドラム本来の豊かで繊細な音色 を引き出しながら、コージー自身が求める理想的なドラムサウンドを実現していたのだろうと思います。
★特に 70年代のレインボー時代 に世界中のロックファンとロックドラマーを魅了し、今もなお多大な影響を与え続けるコージー・パウエルは、 1998年 4月、高速道路での自動車事故により、 我々の魂に激烈な炎の影を遺したまま、霧のように儚く、あっけなくこの世から去っていきました 。
【 イアン・ペイス 】
★ Mandrake Root
・ 1970年 、イギリスでのスタジオライブで、イアン・ペイスは当時22歳。暗くてわかりづらいかもしれませんが、2分20秒時に 『プレミア250S』のヒール部のシーソーのような特徴的な形状 が約5秒間見られます。
★ Strange Kind Of Woman
・ 1971年 、こちらは珍しくトラディショナルグリップ(レギュラーグリップ)で演奏するイアン・ペイスです。ドラムセットはイタリアの放送局側の備品らしく、フットペダルの機種は不明ですが、イアンの切れ味鋭く、スピーディーで鮮やかなスティックさばきが見事です。
★ Mistreated
・ 1974年 4月に開催されたカリフォルニア・ジャムでの『ミストゥリーテッド』で、イアンは当時26歳。楽曲に底流する 『プレミア250S』による26インチ・バスドラムのヘヴィー、かつアコースティックなトーン が、粘っこくヘヴィーなこの名曲の魅力をしっかりと引き立たせています。終始不機嫌そうな様子のリッチー・ブラックモアによる呻くような、あるいは咽ぶようなギターサウンドとデイヴィッド・カバーデイルによる燃え盛る情念と苦悶そのもののようなボーカルがもつれ合い、一気にトリップ感に包み込んでくれます。
★ イアン・ペイスの『プレミア250S』
・ 1974年 12月に撮影されたイアン・ペイスの『プレミア250S』の写真です。使用しているビーターはプレミア純正のようですが、フェルトの『 #1290』か、ウッドの『 #1296』かは不明です。 ビーターは最大長 にセッティングしています。
★ Burn
・ 1975年 12月、日本武道館での白熱の演奏です。ジョン・ロードをして「 ディープ・パープルを名乗るべきではなかった 」と言わしめた第4期の布陣ですが、 麻薬摂取により手指の自由が利かなかったトミー・ボーリンの残念プレイはさておき、どっこい、第4期パープルのこの曲の演奏を聴けば一発でノックアウトです。この1年後、翌 1976年 12月、トミーは麻薬のオーバードースにより急逝します。 70年代を激しく照らしていた炎の一つが、静かに消えていきました 。
★ 2011年頃におけるイアン・ペイスの『プレミア250S』に関する情報
※海外掲示板:2012年3月17日、午前10時の投稿。
・ 2011年頃 、イアン本人が 60~70年代製『プレミア250S』を探して手に入れようとしていた ことがあったそうです。「60~70年代」というと、まさにディープパープルの第1~4期に相当する時期です。若き日々、ディープ・パープル黄金時代に愛用していたシンプルな機構の古いフットペダルの独特のアクションがふと懐かしくなり、久しぶりに踏んでみたくなったのでしょうか。
【 キース・ムーン 】
★ Substitute
・ 1975年 、『ザ・フー』の狂気の変態野生人、奇人変人、20世紀最大の悪ガキ&でしゃばり百面相ドラマー、キース・ムーンによる宇宙破壊的奔放ドラミングです。型破りなキースの生き様がそのままドラミングにぶつけられているかのようで、 ダイナミック、かつ生き生きと躍動的で胸に直接轟いてくる『プレミア250S』によるバスドラサウンド が、軽快かつハードなロックナンバーと相俟って、非常にエキサイティングです。
★ エピソード①
・ベーシストのジョン・エントウィスルの証言です。「バンドそのものが崩壊しかねなかった曲がある。『 Substitute (1966年)』だ。最初に録音を聴いた時にキースはこう言ったんだ。『こんな曲、いつ録ったんだ? このドラマー、どこから連れてきたんだ?』。『 お前が叩いたんだよ 』。『憶えがないな!』。『 お前だっつーの! 』。『くそったれが! お前ら、他のドラマーに叩かせたんだろ。こんなクソバンド、もう辞めてやるわ!』。そこで最後に俺がこう言ったんだ。『よく聴けよ、お前がシャウトしてるんじゃないか』。すると、『ふむ・・・ 確かに俺だな・・・。ところで、こんな曲いつ録ったんだ?』。『 先週だ! 』」
★ エピソード②
・「ピート(タウンゼント)が曲作りに専念するため、バンドが2年ほど何もやることがなくなると、キースはドラムを叩くことすらしないんだ。それで、久しぶりに、いざ録音だぞってなると、奴は ドラムの叩き方をすっかり忘れてやがる んだ。なので、俺たちはリハーサルで彼の記憶を揺さぶらないといけないというわけよ。」
★ キース・ムーンの『プレミア250S』
・キースは、60年代に前身モデルの『 プレミア250 』を、そして70年代に『 プレミア250S 』を使用している際の写真や動画が多数確認されています。
★ ドタバタアクション
・ 1977年 、目立ちたがり屋で寂しがり屋のキースは、 ドタバタをやらせても一流 。というか、地のままです。キースはこの翌年、 1978年 、麻薬のオーバードースにより32歳の若さで亡くなります。 70年代を激しく照らしていた炎の一つが、ここでも静かに消えていきました 。
【 リッキー・メドロック 】
★ Free Bird
・ 1971年 、「 今の僕は鳥のように自由… この鳥を、君が変えてしまうことはできない… 」と歌われるレーナ―ド・スキナードの名曲、『フリー・バード』のオリジナルバージョンで、のちにレーナ―ド・スキナードのギタリストに転向する リッキー・メドロックのドラマー時代の演奏 です。動画に映し出されているメンバーの写真で、左から3人目の、左腕を挙げてポーズをとっている人物がリッキーです。
★ リッキー・メドロックの『プレミア250S』
・ 1972年 に撮影された、リッキーのドラミング時の写真です。少しわかりづらいですが、『 プレミア250S 』の黒いフットボードと、その下にある「固定バー(フィクストステイ)」と後部ヒール部が見えています。
★ 白い鳩
・ 1971年 、リッキーが澄んだ高い声で歌う、レーナ―ド・スキナード初期の美しいバラード曲です。
★ Free Bird
・こちらは 1973年 にレコーディングされた『 フリー・バード 』で、このバージョンでは ボブ・バーンズ がドラムを演奏しています。動画に映し出されているメンバーの写真で、最後列左から二人目の、右手を挙げてポーズをとっている人物がボブ・バーンズです。
【 ボブ・バーンズ 】
★ Simple Man
・ 1973年 、「 僕がまだ幼い頃、母さんが語ってくれた話… つましく生きて、自分が好きだと言える人間になりなさい… 」と、しっとりと歌われるレーナード・スキナードの名曲、『 シンプルマン (歌詞付き)』です。アメリカ南部の、素朴で保守的な人々の暮らしや生きざまがにじみ出てくるようで、しみじみと心に響きます。 ボーカリストのロニー・ヴァンザントが祖母の葬儀に出席した後、家族やバンドのメンバーが揃っている中、かつて祖母が自分に語ってくれた助言について皆に語り聞かせている際に発せられた言葉が元になり、この曲は生まれました。
★ ボブ・バーンズの『プレミア250S』
・ 1974年頃 に撮影されたもので、『 プレミア250S 』の特徴的な形状の「 駆動リンク 」前面が見えています。
★ 搭乗していた飛行機の墜落現場
・ 1977年 10月、次の公演地、ルイジアナ州バトンルージュへと向かうメンバー一行が乗った飛行機が燃料切れによりミシシッピ州の森林地帯に墜落し、バンドの顔とも言える ボーカリストのロニー・ヴァンザント 、 ギタリストのスティーヴ・ゲインズ 、そしてスティーヴの姉でバックアップシンガーのキャシー・ゲインズの他、アシスタント・ロードマネージャー、パイロット、副パイロットら、計6名が帰らぬ人となります。ゲイリー・ロッシントン(ギター)、アレン・コリンズ(ギター)、レオン・ウィルクソン(ベース)、ビリー・パウエル(キーボード)、アーティマス・パイル(ドラム)ら生存者20名も、内臓損傷、骨折、重度の裂傷、打撲等の重症を負いました。そして、 全盛期70年代におけるレーナ―ド・スキナードは、これをもって終焉を迎えます 。
【 ジャック・ディジョネット 】
★ Call It Anything
・ 1970年 、 ジャズ界の帝王、マイルス・デイヴィス・グループ によるイギリスのワイト島音楽祭での演奏で、ジャックはこの時28歳。 6分時 に『 プレミア250S 』がはっきりと映ります。 ジャックのフットワークやペダルのアクションの様子がご参考いただけます。『 プレミア250S 』のビーターは かなり短め にセッティングされ、スプリングの強さは 標準範囲 (ネジ山7~8mm出し)のようです。
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〓■ ラディック・スピードキングを制御するコツ ■〓
・『 スピードキング 』は 「自由に制御できない、踏みづらいフットペダル」として世界的に確固たる認知を得ています 。夢やロマンに溢れた、比類無き魅力的なフットペダルではありますが、反面、数十年にわたって多くのドラマー達の幻滅と挫折を延々、累々と重ねてきたフットペダルでもあります。夢想を膨らませ、過度に期待すると、幻滅と挫折もそれだけ大きなものとなりますから、興味本位での入手はお勧めしません。自身でコツを掴むための工夫と努力を積み重ねないと、 10年経っても制御できないことをお約束します。スピードキングは決して魔法のペダルではありません 。
・ 『スピードキング』を制御する際のコツ としては、 ジョン・ボーナム がスピードキングを使用して演奏している際の右足を見て ジミ・ヘンドリクス が発した言葉にヒントがあります。「 どっひゃ! お主の右足は、まるでウサギちゃんが軽やかにピョンピョン跳ね回っとるみたいやんけ! (”Boy, you"ve got a right foot like a rabbit.“)」というたとえから分かるとおり、以下の点を意識して制御練習を積むとよいでしょう。
① バスケットボールの高速ドリブル のように、 スプリングによるフットボードの反発力を逆に利用し、『最小限の力』と『最低限の上下動』とによって連打する技術を意識して踏む 。
②電子メトロノームを使用し、 基本に立ち返ってスローテンポから練習 する。
③練習開始当初は スプリングを「最弱」にする 。
④最初は特に 「表(オモテ)/頭(アタマ)のリズム」をずらさない よう意識して練習する。
⑤「 オープン奏法 」と「 クローズド奏法 」以外にも、「 ハーフクローズド 」の状態でビーターをコントロールしてみる。
⑥ スローン(椅子)の縁(へり)に太ももの裏側を軽く打ちつける意識 で踏んでみる。
⑦ 脚(太ももと、ひざ下)と足(くるぶしから先)の力を抜きながら、柔軟に、かつ素早く操作 できるよう練習をする。
⑧テンポが上がるにつれ、 制御のしづらさから脚や足に力が入って硬直しはじめ、それでも無理にリズムを刻もうとして膝やかかとが上がり、それで余計に制御できなくなる ので、 そうならないよう意識的に脱力する 。
⑨上体を垂直にしてうまく制御できない場合には、 上体を心持ち前傾させて制御してみる 。
⑩「 世界にはスピードキング以外にフットペダルは存在しない 」と信じ込み、 一打一打、アコースティックな音色を楽しみながら踏む 。
〓■ お願い ■〓
■ ラディック・スピードキングに『TAMAの角頭ボルト(MS612SH)』を使用しないでください!
・スピードキングの ビーター固定用蝶ボルトの緩み対策 として『 TAMA 角頭ボルト(MS612SH) 』の代替使用を推奨する案件がネット上で流布していますが、両者は インチサイズとミリサイズで規格が完全に異なります 。
・スピードキングの純正蝶ボルトは「 1/4インチ径(約6.35mm径) 」で、『TAMA 角頭ボルト(MS612SH)』は「 M6(6.0mm径) 」です。また、ピッチ(pitch=ネジ山の間隔)は、純正蝶ボルトが「 0.9mm 」で、『TAMA 角頭ボルト』が「 1.0mm 」です。ネジ山の数でいうと、純正蝶ボルトが「 10mm当たり11 」に対し、『TAMA 角頭ボルト』は「 10mm当たり10 」です。規格が異なるにもかかわらず、スティール製角頭ボルトを強引にねじ込めば、アルミニウム製のロッカー(駆動部側)のネジ山が損壊するのは必至です。
・『TAMA 角頭ボルト』のほうが径が小さい分、わずかに遊びがあるため、ネジ山3つほど奥までは指でもねじ込むことができますが、そこで行き止まった後、さらにチューニングキーを使用してねじ込むと、 ロッカー(駆動部)側のネジ山を崩してねじ込む ことになります。
・ボルトの規格がわずかな違いであるため、多少ネジ山が崩れた状態のままでも当面は使用できるようですが、継続的な使用に伴い、 いずれロッカー側のネジ山が完全損壊 します。 ボルトがズル抜け状態になると、ネジ溝の切り直し加工、もしくはロッカーの交換修理が必要 となります。
・特に70年代以前に製造されたスピードキングはビンテージ品としての価値が高く、ロッカー損壊による スピードキングの個体数減少を防ぐ ため、『 TAMA 角頭ボルト(MS612SH) 』の 代替使用は絶対に避けてください 。
※2020年に6年ぶりに再発された リニュアル版『L203 スピードキング』 のロッカー(駆動部)には 『M6サイズ(6mm)』角頭ボルト が使用されており、 ロッカー側のネジ溝も「M6サイズ」 に切られているため、このモデルには『 TAMA 角頭ボルト(MS612SH) 』を代替使用することができます。逆に2014年以前に製造された 旧型スピードキング の『 蝶ボルト(1/4インチ=6.35mm )』をリニュアル版スピードキングに代替使用することができなくなりました。
※スピードキングの中古商品の入手を検討される際、ロッカーに「純正蝶ボルト」が装着されていても、前オーナーが通常使用の際に「 TAMA 角ボルト(MS612SH) 」を使用していた可能性も想定しておくとよいでしょう。外見が綺麗であっても、ロッカー側のねじ山が既に崩れている可能性もあります。
〓■ 注意! ■〓
■ 動作の鈍くなったスピードキングはプランジャー(押しピストン)破損の恐れあり!
・スピードキングの左右ポスト内には、スプリングの他に、ポスト上部のカムに接続し、スプリングを押し下げるための「 プランジャー 」というピストン形状のパーツが組み込まれています。また、プランジャーやスプリング、内臓カムの動作を滑にし、金属部の摩耗を低減するために、特に80年代中期以前のスピードキングの場合、 ベージュ色をしたペースト状の潤滑剤 が充填されています。ところが、この潤滑剤は 経年により固形化 が進む傾向にあり、ペダルの個体によっては完全に固形化し、 フットボードの動作が鈍くなっていたり、ほとんど動かなくなっていたり する場合があります。
・ プランジャーは、太い心棒に細い心棒を差し込んで一つのパーツとした結合部品 で、上部の太い心棒はカムの動作を受けて下部に位置するスプリングを押し下げる役割を担い、細い心棒はスプリング内に挿通され、プランジャー本体とスプリングの姿勢を安定させる役割を担います。
・ペダルの動作が鈍い、またはほとんど動かない状態となったスピードキングは、プランジャー下部に位置する 細いほうの心棒が固形化した潤滑剤に埋まったまま固着している ことが多く、そのため、このような状態のままでロッカー(ドライブシャフト)を無理に動かすと、 太い心棒から細い心棒がすぽっと抜けてしまう ことがあります。
・中古市場に出回っているスピードキングで 動作の鈍い個体はプランジャーが既に分離損壊している可能性 がありますので、特に80年代中期以前に製造されたスピードキングの入手を検討される際には、 プランジャーが分離破損していないかどうか を 出品者に確認 されることをお勧めします。
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